日豪セミナー用画像 |
2016年グランドスラム(GS)の第一戦、全豪オープンは、メルボルン市内のメルボルンパークで1月18日から31日まで行われる。 ジョコビッチは全豪、ウィンブルドン(全英)、全米と3戦で優勝し、全仏でも2位と安定した力を発揮し、ジョコビッチの全盛時代であることを示した。日本期待の錦織圭が優勝に絡めるかも注目だ。女子ではセリーナ・ウィリアムスの強さが光っている。日本男子ではダニエル太郎、西岡良仁(よしひと)、女子では土井美咲、日比野菜緒、奈良くるみ、大坂なおみの本戦出場が予定される。 ジョコビッチ(セルビア、28歳、昨年12月7日付世界ランク1位)6回目、史上1位に並んだ。全豪センターコートに名前を残すロッド・レーバー(2度達成)以来の快挙となる。ジョコビッチはオールラウンドプレーヤー。 史上最多GS17度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス、34歳、3位)も好調だ。昨年のブリスベン国際で優勝を果たすと共にキャリア1000勝を飾った。全英、全米でジョコビッチには敗れたが準優勝。ドバイ大会ではジョコビッチを破って優勝した。 期待の星、錦織圭(26歳、8位)だが前半戦は好調だったが、後半戦で結果が出ず調子を落とした。全豪ではベスト8で世界ランクを自己最高の4位にまで上げ、全仏でもベスト8進出を果たし、ロジャース・カップではナダルに初勝利を挙げた。しかし全英では故障のため2回戦で棄権。全米は前年準優勝し日本人初の第4シードであったが、まさかの1回戦敗退となった。2年連続出場となったツアーファイナルではベルディハに勝利し、フェデラーには負けたが大接戦を演じて2015年を終えた。メンフィス・オープン優勝(三連覇)、バルセロナ・オープン優勝(二連覇)、ワシントンDCオープン優勝、ジャパン・オープン準優勝の戦績を挙げたが、GSに続くマスターズ1000シリーズ(全9戦)での優勝が無い。昨年はマドリード・マスターズ、ロジャーズ・カップでベスト4、マイアミ・マスターズ、イタリア国際でベスト8である。原因のひとつが苦手な選手が多いことがある。対ジョコビッチ2勝5敗、フェデラー2勝4敗はまだしもリシャール・ガスケ(フランス、29歳、9位)には6戦全敗、ナダルには初勝利したが7敗、ワウリンカとも1勝3敗である。 錦織は正確で強烈なリターン、相手の裏をかく巧妙なボレーショット、ロブショットが武器で、ラリー戦を得意としておりベースラインから下がらない攻撃的なプレースタイルで上位を脅かす存在になった。ストローク戦やバックでのダウンザラインへの正確なショットなど強みを増した錦織だが、優勝を狙う為に最も重要なのはサーブだが、苦手と云われたサーブも大幅に強化している。 全豪のサーフェスはハードコートでボールスピートが速く、良くはずむ特性を持つが、錦織は得意としている。メルボルン特有の猛烈な暑さへの対策も鍵となる。前半戦は下位選手にストレート勝ちして体力消耗することなく勝ちあがることが優勝の条件だ。 年齢も26歳と体力的にもピークの年代に入っている。注目度が下がっている今大会は逆に優勝のチャンスだ。 オージー選手では、バーナード・トミック(23歳、18位)、ニック・キリオス(20歳 30位)、サム・グロス(28歳、60位)、タナシ・コキナキス(19歳、80位)、ジョン・ミルマン(26歳 92位)の5人が本戦出場する。 トミックは、昨年全豪4回戦、全英、全米3回戦と善戦して順位を20位以内へと上げてきた。キリオスは、昨年の全豪で地元勢としては2005年のレイトン・ヒューイット以来のベスト8に入った。GSで2回以上ベスト8へ進出した10代の選手は、2001年のロジャー・フェデラー以来となる。一方で悪童としても知られる。試合中に対戦相手のワウリンカに対して暴言を吐いてATPから罰金を科せられている。試合相手、審判への暴言や粗暴な振る舞いが多く、新聞をにぎわしている。 シモーナ・ハレプ(2位、ルーマニア、24歳)が昨年は全豪ベスト8、シンセン・オープン優勝、ドバイ優勝、パリバオープン優勝と着実に実績を重ねた。切れの良い痛快なテニスが持ち味である。 オージー選手ではサマンサ・ストーサー(31歳、27位)ただひとりが本戦出場する。2011年全米でGS初優勝を果たしたが、その後は低迷していた。昨年は全仏、全英で3回戦、全米で4回戦に進出している。若手が出てこない中でストーサーがひとりがんばっている。 ■ 日本人選手 日本男子では新星ダニエル太郎(22歳、96位)が現れた。父がアメリカ人、母は日本人、ニューヨークに生まれ14歳で家族とスペインに移住したが国籍は日本。現在もスペインに在住する変わり種。昨年のチリオ−プンではベスト8、デビスカップでは初の日本代表となり注目を集めている。今大会では本戦からの出場であり身長190cm 体重76kgと恵まれた体格を生かす。 西岡良仁(20歳、117位)が昨年12月の深?ワイルドカード(主催者推薦枠)プレーオフで優勝し本戦出場となった。西岡は錦織と同じアメリカIMGテニスアカデミーの出身で、錦織2世とも云われて期待されている。 伊藤竜馬(27歳、119位)、杉田祐一(27歳、126位)、添田豪(31歳、132位)は予選からの出場予定。 女子では土井美咲(24歳、54位)、日比野菜緒(21歳、66位)、奈良くるみ(23歳、82位)の本戦出場が予定されている。注目は今大会でGS本戦デビューながら昨年10月のWTAタシケントオープンで1セットも落とさず、全試合ストレート勝利で優勝した日比野菜緒だ。ストローク戦を得意とする日比野が全豪で世界とどう戦うかが見所だ。
ロッド・レーバー・アリーナ(15,000人) 一般チケット(グラウンド・パス:$39から)では、ふたつのセンターコート以外はすべて入れる。 世界の最先端を行く三つの屋根付きコート 会場のメルボルン・パークには、ロッド・レーバー・アリーナ(15,000人)とマーガレット・コートアリーナ(7,500人)のふたつのセンターコートがある。 マーガレット・コートアリーナは昨年屋根付きになり観客席も大幅に増やし、ロッド・レーバー・アリーナに隣接することから第二センターコートに格上げされた。 GSの中で屋根付きコートがあるのは全英のセンターコートだけ。真夏の酷暑のせいもあるが、天候に左右されずにトップ選手がプレーできる点では全豪は世界の最先端を走っている。
対戦組み合わせ(ドロー)は開幕直前に発表にされる。いつ観戦に行くか迷うが、初日と二日目で男女全選手が登場し、半数が負けて姿を消すこともあり早い日程をお勧めする。 全豪オープンの予選は1月13日から16日にかけて行われ、入場は無料。 暑い全豪では水分補給、帽子、サングラス、日焼け止めは忘れずに。
男女 256名
■催事場 ハイセンス・アリーナ側のグランドスラムオーバル催事場には協賛企業が設置した娯楽テントや、ライブ・バンド演奏のビアホールなどたのしい催し物がたくさん出ている。化粧品会社のお土産付き無料メイクアップコーナーは女性に人気。ランチタイムや試合の空き時間にぜひ行ってみよう。 ガーデンスクエアでは選手によるサイン会も開かれる。錦織選手などトップ選手も登場する。ロッドレーバーアリーナの隣にショップがあり全豪会場でしか買えないロゴ入り特選グッヅが販売されている。
選手のラケットのチューンナップショップを見学するコーナーも設けられている。錦織のラケットがどのように作られるのかが判る。 女子では依然としてセリーナ・ウィリアムス(米国、34歳、1位)が圧倒的な経験と実力を誇り、勢いに乗ったセリーナを止められる選手はいない。。全豪、全仏、全英とGS3連勝し全米に勝てば年間グランドスラム達成であったが、準決勝で中堅のイタリア選手に敗れた。GS21勝と現役選手では断トツの成績を誇る。年齢にも負けずパワーテニスで圧倒する姿は驚異的である。年間グランドスラム達成は無理としても、全豪優勝の可能性は高い。人気ではNo1のマリアシャラポア(ロシア、28歳、4位)も復活している。昨年の全豪では決勝まで進み復活を豪州ファンに印象付けた。BNLイタリア国際で2年ぶりの優勝、全英では準決勝まで進んで好調を保っている。優勝の可能性も高いが、セリーナにはまったく歯が立たないのが弱点だ。
女子選手の注目は大阪なおみ(18歳、127位)だ。GSに初出場ながら予選3戦を勝ち進んで本戦へ進出。一回戦でドナ・ベキッチ(クロアチア)を6-3 6-2で制すと、2回戦では第18シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)に6-4 6-4で快勝し三回戦へ進出。予選からの5試合、すべて2-0のストレート勝である。
三回戦では2012年13年と全豪を連覇した優勝候補のひとりビクトリア・アザレンカに敗れたものの世界を驚かせた。持ち味は200キロを超える豪快なサーブと優れた身体能力から来る強烈なストロークだ。大阪に生まれ、父はハイチ系米国人でアメリカに住み、日米の2重国籍。筆者も海外メディアや全豪事務局から大阪なおみの日本での評判を聞かれるほど注目された。記者会見では「日本語はほとんどダメ。」として英語のみでの記者会見も日本人選手としては異例であった。豪快だが成功率が極端に低いサーブが決まりだせば、世界のトップを目指せる逸材である。
奈良くるみ(24歳、89位)も1回戦を突破したが2回戦で敗退。2014年からほとんど1回戦は勝利するがなかなか2回戦の壁を敗れていない。実力的には十分なだけに4回戦以上を目指して欲しい。土井美咲(61位、24歳、)、日比野菜緒(21歳、56位)は1回戦で敗退。惜しかったのは土井だ。優勝したケルバーから先に1ゲームを先取。第二セットもタイブレークまで持ち込み、大金星まであと一歩であった。今大会でケルバーが落としたセットは、土井戦とセリーナとの決勝戦の2セットだけ。土井に取っては今後につながる自信となった。 日本勢の男子では新星ダニエル太郎(22歳、ニューヨーク出身、96位)が現れた。父がアメリカ人、母は日本人、アメリカニューヨークに生まれ14歳の時に家族とスペインに移住したが国籍は日本。現在もスペイン・バレンシアに在住する変わり種。昨年の全豪オ−プンで予選3回戦まで進み、チリオ−プンではベスト8、デビスカップでは初の日本代表となり注目を集めている。今年の全豪では本戦からの出場であり身長190cm 体重76kgと恵まれた体を生かして活躍を期待したい。 西岡良仁(20歳、117位)が昨年12月の深?ワイルドカード(主催者推薦枠)プレーオフで優勝し本戦出場となった。西岡は錦織と同じアメリカIMGテニスアカデミーの出身で、錦織2世とも云われて期待されている。 伊藤竜馬(27歳、119位)、杉田祐一(27歳、126位)、添田豪(31歳、132位)は予選からの出場予定。 女子では土井美咲(24歳、54位)、日比野菜緒(21歳、66位)、奈良くるみ(23歳、82位)の本戦出場が予定されている。注目は今大会でGS本戦デビューながら昨年10月のWTAタシケントオープンで1セットも落とさず、全試合ストレートで勝利して優勝した日比野菜緒だ。ストローク戦を得意とする日比野が全豪で世界とどう戦うかが見所だ。
■ 車椅子部門 国枝慎吾(31歳、車いす1位)は、GSシングルス20勝、ダブルス19度の優勝を誇る車いすテニス界の王者。昨年も全豪、全仏と全米と優勝して4度目の年間グランドスラムを達成している。(全英には車椅子部門が無い。)全豪では過去8回優勝しており、今年は4連覇がかかる。上地結衣(21歳、車いす3位)は2014年に全仏と全米で優勝し、全豪は2年連続の準優勝。グランドパスで観戦できるのでぜひ応援に行こう。
日本男子では新星ダニエル太郎(22歳、96位)が現れた。父がアメリカ人、母は日本人、ニューヨークに生まれ14歳で家族とスペインに移住したが国籍は日本。現在もスペインに在住する変わり種。昨年のチリオ−プンではベスト8、デビスカップでは初の日本代表となり注目を集めている。今大会では本戦からの出場であり身長190cm 体重76kgと恵まれた体格を生かす。 西岡良仁(20歳、117位)が昨年12月の深?ワイルドカード(主催者推薦枠)プレーオフで優勝し本戦出場となった。西岡は錦織と同じアメリカIMGテニスアカデミーの出身で、錦織2世とも云われて期待されている。 伊藤竜馬(27歳、119位)、杉田祐一(27歳、126位)、添田豪(31歳、132位)は予選からの出場予定。
|